医師養成のコンセプト
単なる「家庭医」でもなく、単なる「専門医」でもない
地域の第一線病院で役立つ技術とは何でしょうか。日常よくある疾病についての基礎的・系統的な知識、診断・治療の能力を身につけ、そのうえに一定の確かな専門的力量が求められます。
したがって、単なる「家庭医」でもなく、専門医だからといって総合性を放棄しない、しかも専門医同士の単純な役割分担でもない、そんな医師集団が必要です。
長野県民医連加盟の病院では、専門の科を超えて医師集団が力をあわせ、必要なカンファレンスを行いながら、地域住民のために総合的な医療を行いつつ、それと結合して研修の充実を図っています。
住民が出資・運営し、医師や職員と協同する病院
民医連の病院は、地域の住民がお金を出し合い、運営・経営する病院です。
そのような地域の人々の健康への健康の願いが、民医連の医療の出発点です。医療生協組合員や健康友の会の会員が地域で行っている健康づくりの活動や医療についての学習会などに、医師や職員も参加し、大いに交流を深めています。
こうした経験を通じて、患者・住民の気持ちや「痛み」がわかる謙虚で優しい心を持った医療人がはぐくまれます。
民主的なチーム医療のリーダーとして
長野県民医連の40年にわたる医師養成の歴史を通じて、特筆すべきことのひとつは、看護師をはじめとするスタッフが、若い医師を育てようという情熱を持っていることです。
現代の病院医療は、患者を中心に、各職種がそれぞれの専門性を発揮し、かつ民主的な協力体制ですすめられなければなりません。
長野県民医連の研修では、医師が民主的なリーダーとして成長することを重視します。