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第290号 2015.01.01
「医療からは追い出し、介護は切り捨て。こんな改悪に黙ってられない」、2014年11月29日、安曇野サンモリッツで「介護保険を良くする信州の会」(以下「良くする会」)の結成総会が開かれました。北は飯山市、南は阿南町から、年齢も20代から80代と幅広く、430人が参加。まさに"介護オール信州"のスタートとなりました。
「良くする会」結成のきっかけは、13年11月2日に今回と同じ会場で開かれた「だれもが安心の介護保険を求める長野県民大集会」の大成功でした。民医連、社保協、保険医協会、認知症の人と家族の会でつくる実行委員会は、「参加者の思いを束ねて、制度の改善運動をすすめよう」と話し合い、かねてから介護保険制度のあり方に問題提起をしていた長野大学教授の合津文雄先生に代表をお願いしました。
14年6月、賛同呼びかけ文を約2000団体、事業所に届け、広げていたさなか、安倍政権は医療・介護総合推進法を強行可決、25年に向けたスケジュールまで示しました。「国はひどすぎる!」―不安と怒りで運動は加速し、呼びかけ文を受取った事業所が他の事業所に呼びかけ、総会までに100を超える団体、事業所から賛同書が届きました。
事務局を担う県連には、「妻の介護で参加できないが、近くで集まりを持ってもらえないか」「所属事業所は賛同できないが、一個人で行きたい」との連絡がありました。
結成総会は、福島大学名誉教授・相澤與一先生の講演に続いてシンポジウムが行われ、現場からの実態報告、国が計画する制度の問題点、各地の先進的取り組みが語られました。改めて介護改悪が「利用者、介護者、事業者だれにも深刻な影響を与える」ことが浮き彫りになりました。
参加者からは、
「介護保険のことをよく知らない人が多い。もっと多くの人が今の介護の現状や介護を知ることでこの先の介護や保険が良くなる気がする」(20代女性・事業所)
「制度改悪は、現在行っている内容とは矛盾することも多く、苦しい思いでいた。様々な立場の方からの話を聞き、決意を新たにした」(50代女性・事業所)
「多くの人が切り捨てられるのかと不安になる。要支援者の受け皿をボランティアでというのは無理。国はおかしい」(60代女性・介護経験者)
など、日頃の思いが寄せられました。
良くする会結成の大きな意義は、気持ちや経験を交流する「拠り所」ができたこと。そして今後、理解を進める取り組み、「声」を掴み行政に届け、提案・対案を作り、みんなの運動で"結いあげる"ことへの期待が明らかになりました。賛同者名簿には、民医連と交流のない病院や事業所の名が記されています。「時間を作って話に行ってみよう」という新たな動きが生まれています。
介護保険改悪から すこやかに老いる権利を守ろう
各地で学ぶ運動広まる
11月22日、下諏訪町総合文化センターを会場に、260人を超える参加でシンポジウムが盛大に開催されました。認知症の人と家族の会副代表の勝田登志子さんは、「地域包括ケア時代とはどうなるのか」の題で、医療・介護総合法案の中身、改定介護保険の問題点を指摘、強行採決への怒りを総選挙にぶつけるべき、と強く訴えました。
シンポジウムでは、吉池健康福祉課高齢者係長は「町はなるべく在宅で生活できるよう援助をしていくが、介護力不足が深刻。個別対応や地域ケア会議中心にできる事から始めたい」、町の地域包括センターの桜田さんからは「介護や認知症の相談が増えているが、制度が次々に変わるので対応が大変」という報告がありました。介護者代表の小林さんは、両親の介護と看取りを通し、「介護保険を十分利用させてもらい感謝。制度の継続を」と語りました。木下真理子つるみね診療所所長は「現実的に在宅介護のストレスは大きく、在宅死の押し付けはできない」と現場からの意見を述べました。
参加者からは、40周年にふさわしい内容だったと大変好評でした。
(南信勤労者医療協会・地域在宅事務長 大原 健博)
介護保険創設以来の大改悪に、かつてなく危機感が広がる中、16人で呼びかけ人会議を開催し、10月7日に「介護保険制度をよくする飯伊の会」を設立しました。
活動は、学び合う、意見・要望の集約、介護の実際・現実を広める、行政機関・各種団体に伝えるの4点です。財源は団体・個人会員の年会費。
11月14日には、大阪社会保障推進協議会介護保険委員、堺市介護保険課職員の日下部雅喜さんを招いて「地域オープンセミナー」を開催。141人の参加で、制度改悪や新総合事業に自治体と向き合ってどう交渉と運動をすすめるのかを深めました。運営委員会は地域学習会第2弾を計画し、ネットワークを広げようと準備しています。
(事務局・水野 耕介)
塩尻・片丘支部バランスボール班会の冒頭で、介護ミニ学習&介護集会呼びかけ&署名のお願いを、塩尻協立病院の藤沢介護士が行いました。参加したみなさんは食い入るように資料と藤沢さんを交互に見つめ、関心の高さを感じました。「今特養に入っている要介護2の人はどうなる?」「おん出されるってことかい?」など質問も出ました。
前日の宗賀・日出塩バランスボール班会でも、署名が20筆集まりました。今後行われる班会でも、介護士が直接訴える時間を設けていきたいと思います。やはり、現場の職員が直接訴えることは説得力もあるし、より関心をもって頂ける絶好の機会だと感じました。
(「塩尻友の会ニュース」より)
11月15・16日、県連JB企画で、「介護保険を通してみた人権」をテーマに、「介護保険をよくする信州の会」代表の合津文雄先生を招いての講演会を行いました。
介護保険の成り立ちや今後の法改正についてわかりやすく話してくださり、この「改正」により、介護を受けたくても受けられなくなっていく人、家族介護の負担がさらに増大してしまう人、施設利用者が重症化し介護者の負担が大きくなっていく人がいることがわかりました。
これらは一人ひとりの人権が失われていく事であり、民医連職員として私たちになにができるのか、考えさせられました。
(あずみの里・佐々木 隆暁)
民医連医療、輝く!ネットワークで守ろう患者さんのいのちと地域医療
一刻も早い患者さんの治療、救命をめざす中での研修医の気づき、症例検討会開催で、より的確で手厚い医療をめざす開業医師との連携。ネットワークを大切にする医師の取り組みがあります。
長野中央病院研修医による病院前救護改革への挑戦
~内因性疾患患者さんの救護のために~
申し送りの質に疑問
患者さんが救急車で病院に搬送されると、救急隊から医師に病歴や所見の申し送りがあり、それを参考に医師は救急対応に当たります。研修医も申し送りを受けますが、内容が要点を得ていなかったり、実際の所見と食い違ったりして、申し送りの質に疑問を抱くことがありました。
これについて研修医間で検討した結果、発熱や意識障害といった内因性疾患に病院前救護ガイドラインがないことが原因ではないかという結論に至りました。
独自の病院前救護ガイドライン作成
そこで私たちは独自にガイドラインを作成し、救急隊と鑑別診断の視点を共有してスムーズな治療や処置につなげようと考えました。
まず、救急搬送患者でよくみられる主訴をピックアップし、主訴ごとに鑑別診断に必要な問診・身体診察をまとめ、シミュレーションビデオとチェックリストを作成(現時点では発熱、脱力、胸痛、めまい、動悸、意識障害、腹痛、失神)。次にそれらを当院で年3回開催されている救急隊との症例検討会で発表し、利用を呼びかけました。
発表は好評で、2014年春から長野市消防局でチェックリストが採用され、救急搬送の際にチェックリストをつけて持参してくれるようになりました。
研修医だからこその視点で
今回の取り組みが消防局を動かし病院前救護に変化をもたらした要因は、「内因性疾患の病院前救護について知りたい」という救急隊の需要を組み取り、発信できたことが考えられます。その背景として以下が挙げられます。
① 研修医だからこそ救急隊に近い目線で考え、思いが一致した。
② 救急医療に習熟していないため、申し送りの質に疑問を持てた。
③ 継続的な取り組みにより救急隊との信頼関係が築かれた。
④ 院外にも働きかけて医療の質を改善しようとする発想ができた。
⑤ 研修医の取り組みを実現させる救急医療や指導体制が当院にある。
今後は実際に運用しての問題点や救急隊からの改善提案によりブラッシュアップし、質の高い救急医療の実現とそれによる地域医療への貢献をめざします。
(研修医代表・片桐 忍)
松本協立病院医局 開業医師と紹介患者さんの症例検討
松本協立病院医局では紹介患者さんの症例検討を開業医の先生方とする地域連携合同症例検討会を年2回行っています。11回目は10月31日夕方から、9人の開業医師と当院医師12人で行いました。
初めに、昨年がん研有明病院で消化器研修をした冨田明彦医師から、「早期胃癌の内視鏡治療」のテーマで、「適応はリンパ節転移のない2㎝以下の分化型。早期発見が前提で、毎年の健康診断は有効」との講演がありました。
検討症例は2例。「右側胸部・季肋部痛にて紹介の29歳女性の症例」では、「動けない程の痛みで、初めは原因不明。流行性筋痛症、胸膜炎等の症状がでますが、何日かすると自然に治癒」という症例を検討。種を明かせば風邪のウィルスでもあるエンテロウィルスの一種が原因でした。時々流行し、今年は流行ったようです。NHKの番組ドクターGでも取り上げられた疾患です。論議はいつも大変盛り上がります。
検討会後は懇親会となり、恒例の諸角料理長による豪華な料理がたくさん並び、さらに遅くまで盛り上がりました。
(地域福祉連携室・鈴木 宮子)
2014年のノーベル平和賞候補に「憲法九条を保持している日本国民」が推薦されました。秘密保護法の強行採決、集団的自衛権の行使容認など、右傾化を強める安倍政権への草の根からの反撃が始まっています。各連絡会での平和へのアプローチを紹介します。
11月8日、映画「標的の村」の上映会を、岡谷市の男女共同参画センター「あいとぴあ」で行いました。準備期間は短かったですが、青年平和委員会、社保委員会を中心に若手職員が協力して盛り上げてくれ、130人の参加で成功させることができました。
平和委員会が中心になり、職員旅行を兼ねて行った福島のフィールドワークや辺野古の支援活動の報告もあり、集まってくれたみなさんにアピールできたと思います。
私も家族に見に来てもらいましたが、感想を聞くと、「今までこういうことを知らなかったことが恥ずかしい。報道では知ることができなかった。教えてくれてありがとう」と言われました。
(諏訪共立病院・横内 裕美)
上伊那医療生協では「物語られるいのち」の取り組みとして、患者さんや利用者さんに、これまで生きてきた人生の聞き取りを進めています。
老健はびろの里の利用者さんには戦争を体験した方も多く、人生の話に戦争の話が出てくることもめずらしくありません。父親の出兵を見送った話、開墾をしていた朝鮮の人たちが、戦後食べ物もなく暮らしていたことなど、戦争に振り回された人生が浮かびあがって来ます。大正生まれの唐沢さんは、「戦争中は、『お前たちは消耗品』と言われ、馬のほうが大事にされた。そういうもんだと思ってきたが、今思うと戦争はバカったい」と仰っていました。
(老健はびろの里・片山 望)
11月22~24日、「復興を希う日本のうたごえ祭典in宮城」に出場しました(9月に参加した「全国医療のうたごえ祭典」からの推薦)。
「職場の部」での合唱発表の他に、津波の被害が大きかった名取市閖上(ゆりあげ)地区を見学しました。閖上中学校遺族会が建てた慰霊碑の社務所である「閖上の記憶」。被災時の様子や、心のケアで子ども達が作った粘土細工などを見て胸が詰まりました。
その日の大音楽会は子ども達の澄み切ったうたごえや若者達の躍動的なダンス、大合唱のステージで感動的でした。「うたごえ」は心を動かし、心をつなぐもの「平和の力」です。これからも私達は歌い続けていきます。仲間、大募集中です♪
(松本市河西部地域包括支援センター・塩原 孝子)
戦争の愚かさを知り、二度と過ちを繰り返さないためにと、2004年から長野医療生協の機関紙「みんなの医療」に掲載している戦争体験記を冊子にしました。数年前から「みんなの医療」編集委員会で冊子化をめざし、2014年11月に発刊した冊子には51人の貴重な体験談が綴られています。
戦地や満州での体験のほか、身を切られる思いで夫や子どもを送り出した女性たちの悲しみなど、戦争がいかに悲惨で愚かなものだったかが伝わってくる内容です。
体験を寄せてくれた人の多くが高齢となり、亡くなられた方もいます。貴重な体験談を聞く機会が少なくなるなか、後世に伝えるとともに、戦争を知らない世代の平和学習に役立ててほしいです。
(「みんなの医療」編集委員・藤森 京子)
より右傾化を強く示す第2次安倍内閣誕生を機に、憲法の持つ本質とそれを変質させようとする企ての中身について深く学ぶために、東信医療生協9条の会は学習活動を再開しました。
各種会合の機会にチラシを配布し、社保委員を中心に今日まで別記の内容で8回の学習会を開きました。チューターは参加者の中で受け持ちます。弁護士などの外部講師のときは20名位、通常は10名前後の参加者で行っています。
(東信医療生協理事長、同9条の会事務局・西澤 弘行)
[2013年]
第1回 |
憲法の歴史 |
6月 |
---|---|---|
第2回 | 自民党改定案で権利はどうなるか? | 8月 |
第3回 | 伊藤真著「赤ペンチェック自民党憲法改正草案」を学習 | 10月 |
第4回 | 九条を守る会の今日的課題 | 12月 |
[2014年]
第5回 |
最近の憲法を巡る危機的状況について:講演 滝澤修一弁護士 |
4月 |
---|---|---|
第6回 | 憲法と教育 | 6月 |
第7回 | 憲法と社会保障:生活保護実態調査報告を含む | 8月 |
第8回 | 五十嵐仁講演「ストップ集団的自衛権行使 闘いの展望」の読み合わせ | 10月 |
趣味のバンドに力を入れたいと思っています。森山直太郎のPVでピアノを弾いている人がかっこよく、自分のバンドでも、ピアノを入れたカバー曲をやりたいな。
仕事の上では、たくさんの書類を読む事が多いので、速読力。また、わかりやすい話し方&プレゼン力、そして何より傾聴力を身につけたい!
身体全体に筋肉(特にお腹)。このままでいると、年を取ると膝が痛くなる立ち方をしている事が発覚。お手軽な筋肉の付け方は「ウォーキング」だそうです。
今年1年、職場の新人として唯々めまぐるしくあわただしい日々を過ごしてきました。今年度はいくら忙しい中でも己の心をなくさない、余裕と落ち着きを身に着けたいと思います。
子育てで縁遠くなりましたが、以前は普段から外出や初詣に和服を楽しんでいました。魅力は柄や素材、小物、帯などで何通りものお洒落が楽しめること。箪笥で眠る着物を今年こそ起こしてあげたいです。
分析力・計画力・忍耐力・対課題力・慎重力・傾聴力...。何でもいいんだけど、一つ身に付ければ対自分力に繋がるなって、歳を重ねると皆さん思いませんか?真面目で素敵すぎて何もできていない私。
自分の家の庭がとても寂しいので、これからはいろいろ勉強してDIYのノウハウを身につけて、とても素敵な庭作りをしていきたいと思います。
自分の家の庭がとても寂しいので、これからはいろいろ勉強してDIYのノウハウを身につけて、とても素敵な庭作りをしていきたいと思います。
松本協立病院もスポンサーになっている松本山雅FCが、今年から戦いの舞台をJ1へと移します。僕たちサポーターも、J1のユニフォームを身にまとい風格も身につけて選手たちを応援していきます!
フラワーアレンジメントを始めました。ハロウィンには、かぼちゃを使ったアレンジ、クリスマス用には、木の実のリースを作りました。日頃のいろいろな事を忘れて、ひたすら「花」の声を聴きながら私らしいアレンジができたら嬉しいです。
吸引は、学生の時、座学のみ学習しただけで、実技は全くしていません。病棟で勤務するようになり、吸引の資格は必要だと感じています。
作業療法士の勉強会を法人外の人と一緒に計画しています。外部の同職種と交流を持ち、やっていることや、どういう価値観で利用者さんと接したり援助しているかを知って、「作業療法とはこういうこと」と言えるようになりたいです。