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- 機関紙:長野県民医連
- 第223号
第223号 2008.11.25
- “良い介護”へ大きな連帯を
- 12・7県民集会と介護ウェーブ成功へ県連各地で運動が広がっています
- STOP!医療・介護崩壊増やせ社会保障費!10・19中央集会
- 第5回ながのminiNEF開かれる
- 発言 いのちを大切にする国へ8
- 東南西北
- Q.集会を企画した意図と概要を教えてください。
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この集会は、介護・医療・福祉関係者など、介護サービスを提供する側と利用する側が一堂に集い、「このままじゃ、なんともならない。何とか 変えたい」「来年の介護報酬で大幅な改善を求めよう」という思いを共有する場です。
「尊厳ある老後」「人間らしいくらし」をおくるために、そして介護労働者が介護の仕事に誇りと生きがいを持つためにどうしたらいいのか、共に考える場にできるよう準備しています。
12月7日の安曇野集会の規模が大きいことが、マスコミにアピールする力です。マスコミに取り上げられることで県民世論を喚起することにつな がります。全日本民医連でも11月~12月には7県連で集会が開かれます。
- Q.実行委員会がつくられて準備がすすんでいるそうですね。
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A.実行委員会の呼びかけ人は、長野県社保協、長野県医療労働組合連合会、長野県民医連の3者ではじめました。10 月末までに、老健・特養などの各施設700か所以上に集会の案内を送り、近隣の民医連の事業所からは、賛同と参加を広げる訪問をすすめています。
直接FAXで「協力したい」というお返事をいただいた事業所もあります。また、ある地域包括支援センターからは、「集会参加はできませんが、署名だけなら」と、全職員の署名を返信くださいました。
- Q.介護職員自身が集会の企画に参加しているそうですね。
- A.今年度に始まった「介護職リーダー養成講座」がきっかけになり、介護職員どうしの連携が広がりました。介護職員自身がこの集会を通じて、 自分の言葉でアピールできるように、企画から参加してもらっています。
- Q.運動の広がりを教えてください。
- A.県下ではJAさんも大規模に介護事業を展開しているので、訪問活動の最初にJAビルの本部にうかがいました。職能団体では介護福祉士会などに も訪問しています。
「本来なら、うちのような所で集会を企画しなくてはいけないと考えていました」などと対話になりました。協賛・後援団体は27団体( 11月25日現在)となっています。
- Q.他の事業所への申し入れ活動の中でどのようなことを感じましたか。
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A.施設長が自治体首長などの公的な施設でも運営が大変なのは同じです。お話ししてみると、「こういう集会が待たれている」と感じています。 介護保険が始まってから見直しが2回ありましたが、保険料は上がっているのに介護報酬はマイナス改定です。
「厚生労働省は3%の介護報酬引き上げの答申を準備している」と報道されています。これは、民医連の介護ウェーブをはじめとした介護職員の運動の成果です。しかし、3%ではまだ私たちの求める改善はできません。もっと大幅な引き上げと改善が必要です。
「このままでは何ともならない、何とかしなければ」「もう限界!」という思いはどこでも同じです。
- Q.最後に県連職員へメッセージを
- A.介護職だけでなく他職種の職員にも参加してもらい、介護の現場を知ってもらいたいと考えます。参加者みんなに明日への希望を持ち帰って いただきたいと準備しています。講師の石田一紀先生は、介護労働者を励ますお話をします。ぜひ、お出かけください。
11月6日、介護ウェーブ秋の交流会を長野中央病院東館で開催しました。
この交流会は「自分の思う介護がしたい」「同じ仕事をしている仲間で交流をしたい」との思いから、法人内の介護職員だけではなく、署名に協 力していただいた事業所の介護職員や友人などに声をかけ、当初想定していた数を大幅に上回る65人の参加がありました。
交流会では、老健ふるさとで仕込んだ味噌を使った豚汁を振る舞い、介護ウェーブの取り組みの報告や情勢学習に加え、思いを語るリレートークを行いました。
リレートークでは多くの参加者から発言があり、「介護保険の改悪を阻止し、自分たちが考えている介護がしたい」「みんなが安心して暮らせる社会にしたい」などの前向きな発言がありました。外部の事業所から参加した方からは「自分たちの問題としてみんなが真剣に考えていてすごい」という発言がありました。
自分達が好きで選んだこの仕事をこれから先もずっと続けていけるように、介護保険の改悪を阻止し、団結してがんばることを確認しま した。
10月21日、はやしの杜デイケア室で「飯伊民医連介護ウェーブ決起集会」を開催し、はやしの杜や健和会の介護職員を中心に41人が参加しまし た。
集会では、「認知症の人と家族の会」の長野県代表の関靖さんから「16年間、認知症の家族を介護した経験とその間に関わった施設や職員との関わり」の講演を聞きました。その後、4つの班に分かれて討論しました。
討論では、「認知症の方との関わりは、その人の世界にはいって対応することを学んだが、今の介護現場では、対応したくても対応できない現状がある。介護職員自身が声を上げなければ」、また共同組織の方から「高齢者のこと、その家族にことを真剣に考えてくれる施設と職員に助けられている」など意見が出されました。
最後に「地域のみなさんに理解される運動と職員も利用者もよくなる介護保険制度にしよう」という行動提起があり、12月7日の県民集会に参加しようと決意しあいました。
12月7日の県民集会成功にむけ、10月23日に院内で介護集会を開きました。他の会議と重なったため13人でしたが、ケアマネージャー、ヘルパーステーション所長、老健はびろの里の介護職などが参加しました。
全日本民医連の学習資材パワーポイントを使って学習したあと、身近かな事例を学びあいました。
ケアマネージャーからは、認知症の人が認知症の伴侶を介護する認認介護の実態(別記囲み)、認知症を理由にデイサービスを断られ、安全な生活維持ができないという事例報告。
老健からは、利用者の重度化で苛酷な労働になっている。それに見合う給料ではなく苦しいが、「利用者さんのために」とみんながんばっている実態。
ヘルパーステーションからは、他の事業所のケアマネから1日3回毎日のプランを依頼されたが、ヘルパー不足により、対応できずに苦しんだことなどが出されました。
新卒の介護職員からは、「自分のまわりでもこんなに深刻な実態なんだと知りました」という感想がありました。各々の部署でのがんばりをもっと交流しようと、11月中に再度はびろの里でも行う予定です。
夫婦とも80歳代。2人とも認知症となり、症状の軽い夫が重い妻を介護している。年金手帳や銀行通帳等で妻名義のものが何度も再発行になる。妻が自分で管理をしているので、なくしてしまうのだ。夫による管理をすすめてみるが、妻の状態が重いという状況が把握できず、「妻のものは妻のもの」と本人である妻に持たせてしまう。老老介護が認認介護になったとき、さらに大変さは増す。
10月19日、東京・日比谷公会堂に全国から5000人が集まりました。会場に入りきれず、長野県からの参加者はオーロラビジョンでの参加となるほどでした。集会を呼びかけたのは全日本民医連・保団連・日本患者同盟など11団体でつくる実行委員会。
集会では医師・医学生・福祉関係者らのほか、元連合の笹森会長もあいさつ。また、たくさんの医師会や歯科医師会から連帯メッセージが寄せられました。「ザ ニュースペーパー」の風刺コントに大爆笑したあと、元気に銀座パレードを行いました。
長野県連からは、共同組織のみなさんを含め128人が5台のバスで参加。東京までの道中にDVD学習や情勢学習クイズをしたり、帰りは集会の感想を述べあうなど、充実した1日を過ごしました。
診療の忙しさに埋没していると、民医連職員としての意識が薄れがちになってしまいます。
しかしながら、中央集会へは極力参加するよう意識をしています。
以前東京の民医連に在籍していたこともあり、集会では昔の仲間と再会でき「また頑張ろう」という励みになりました。今回中央集会に参加し、たくさんの仲間が集まり一体感を得られることがとても大切なのだと思いました。医師は患者と1対1で向き合いますが、それだけでは根本にある暮らしや政治の改善はできません。こういった集会は、仲間とともにたたかい、変えていくという視点が育ち、養われる場なのだと実感しました。
はじめて医療・介護問題に関する大規模集会に参加しましたが、医療・介護現場で同じ問題を抱えた人たちが一斉に訴えることの凄さを感じました。
現在の医療情勢に不満があるからこそ全国から多数の人が集まり、日本の中心で集会を行い、デモ行進を行う、この意味をもう少し多くの人に、いや、こんなにたくさんの不満を生む根源の人たちに見て、考えてもらえたらいいなと思いながら歩きました。
現場の声をわかちあう、思いがひとつになる集会は、自分にとって多くを学び、考えられるいい機会になりました。
11月8~9日、「第5回ながのminiNEF ~長野県民医連看護学生のつどい」が開催されました。長野県全域から学生10人、職員11人が参加しました。
初日は豊科のあずみの里で、見学&施設名あてクイズラリー。その後介護士の手塚健太郎さんから各施設の役割や介護をとりまく状況、事例などを話してもらい、入居者さんとのふれあいの時間も楽しく過ごしました。
宿泊は浅間温泉、夜は松本の"ピーチャリ"メンバーの青年職員3人が登場。熱い平和メッセージの後、交流会で一緒に盛り上がりました。
2日目は健和会病院看護師の野口まゆみさんが「呼吸器装着者の在宅退院に向けて」の看護の取り組み、松本協立病院看護師の福崎里恵さんが「バイタル測定の基本とその根拠」の講義と実技などを行いました。
「普段の勉強や同じ学校の人同士だけではわからないことがたくさん学べて刺激になった」「事例を通して、看護のやりがいってこういうことなんだと思った」「学校の実習で失敗して落ち込んでいたけど、みんなに励まされてまた頑張れそう」など、学びに、交流に、今年も充実した秋の2日間になりました。
NEFとはNurse Egg(=看護師のたまご) Festivalの略。NEFは毎年夏に地協規模で開かれます。その長野県版なのでminiNEFといいます。
諏訪共立病院南病棟師長 増澤 春美
諏訪共立病院に勤務して15年になります。6年前に療養型病棟に異動になり、その当時は増改築や増床と活気にあふれていました。しかし、療養型病棟にとって「医療・介護情勢」は厳しく、診療報酬改定のたびに現場は翻弄されてきました。それでも、患者さんやご家族から「この病棟があるから在宅で介護ができる」と在宅介護の重要な部分を支えてきました。
2011年には介護病棟廃止・療養型病棟削減と、取り巻く環境は大変厳しい状況です。当病院でも「療養型病棟存続か」「回復期リハビリ病棟への転換か」話し合いがもたれた結果、後者の道を歩む事になり転換を進めています。
8月から対象患者さんの受け入れを始めています。勤務体制や勤務時間の変更、学習会の実施、患者さんからの希望も聞きながら手探りの部分もありますが、準備は少しずつ整ってきています。
実際に、ストレッチャーや車椅子で入院された方が歩いて退院される姿を見ると、療養型病棟の時とは違ったやりがいを感じています。
さて「医療崩壊・介護崩壊」ともいうべき事態が進行している現在、私は先に行われた10・19中央集会に参加しました。国民の命、健康を最優先にする政治への転換、医療の在り方、教育の在り方、税金の使い道等、等・・・納得する事ばかりの話を聞けました。
安心して国民が生活できる世の中がくればと思いますが、思っているだけでは何も変わりません。一人ひとりが学び、声を出し行動に移さなければ。私たちができること、小さい事から見つけ取り組んで行きたいと思います。