私たちの医療・福祉宣言
2003.2.10
長野県医療事業協同組合・職員一同
昔、多くの人々は医療を受けることができませんでした。医者にかかるのは死亡診断書を書いてもらうときだけだったという話はつい40〜50年前の農村ではあたりまえのような話でした。民医連の先人たちは「どんな命も平等」の信念のもと、病に苦しみ生活に困窮した人々の命を救うために、名誉や栄達を求めず寝食を忘れて献身しました。
時代が変わり、いまは国民皆保険制度で誰でも医療を受ける権利が認められるようになりました。しかし、現実は今でも裕福な人々には手厚い医療・福祉が、貧しい人々には最低限のそれしか与えられていないのが現状です。私たち民医連の仲間たちは先人の理念を受け継ぎ、いまも働く人々の健康と命を守るため、地域の人々と協力して「困っている人々の最後のよりどころ」となる医療・福祉の事業所として日夜奮闘しています。
私たち長野県医療事業協同組合は、こうした仲間の事業所に、よりよい製品をより安く供給して医療の安全と経営を守り、また患者・利用者の皆さんの経済的負担を減らすことを目的に作られました。私たちがメーカーや卸、ディーラーの皆さんに、シビアな価格交渉をすることも、製品情報を迅速・正確に伝えるよう要請するのもこの目的を達成するためです。
規制緩和の名のもとに医療を営利活動の手段として利用しようとするさまざまな動きがあります。私たちは一貫してこれらの動きに反対します。太平洋戦争による被害と戦後の困難から今日の日本を築いた無名の人々にせめて安心できる介護・福祉の保証と、経済失政による生活の破壊に耐えている多くの国民の命と生活を守るための医療・福祉とが、いまこそ必要とされています。
私たちは、医療・福祉の現場で活動する多くの仲間たちの努力を側面から支えるための事業活動をさらに進めていくことを、また私たちが全ての人々と手を携えて医療・福祉制度の改善を求める運動を進めていくことを以下の通り宣言します。
一、私たちは、医療に携わる者として、常に仕事の先に患者さまがいることを念頭に置いて医薬品や医療材料の購入を行います。
一、私たちは、より低廉な価格とともに、安全性の高い製品の購入に努め、患者さまの安全と経済的負担を軽減します。
一、私たちは、購入するだけでなく、製品の最新・正確な情報の入手に努め、院所・現場に適切な情報を提供を行います。
一、私たちが接する業者の皆さんとも力を合わせ、国や自治体へ国民の命と健康を守るための働きかけを行っていきます。
一、私たちは長野県民医連共同の事業所として、院所の仲間や共同組織の皆さんと「ここに住み、生きてきて良かった」といえる長野県や地域を築くために協力します。 |